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定年後Q&A


Q1.定年退職後の手続きにはどんなことがあるの?

A1.定年退職後は、これまで会社が代行していた諸手続きをすべて自分で行わなければなりません。

「いつまでに」「どのような」手続きが必要か事前に確認しておきましょう。
主な手続きは、雇用保険(失業給付)、健康保険、年金などです。


退職日までに

企業年金 企業年金基金への年金・一時金の請求を会社を経由して申請する。
税  金 退職一時金のある人は、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出する(用紙は会社にあります)。
健康保険 「健康保険被保険者証」を会社に返却する。被扶養者(家族)の分も返却する。
もし、紛失して返却できないときは、「被保険者証紛失届」を提出する。


退職月の翌月に

雇用保険 基本手当を受ける人は、ハローワークへ
「雇用保険被保険者証」、「離職票」を会社から受け取る(退職後2週間以内に自宅に送付されます)。
「離職票」を受け取ったら、速やかに住所地のハローワーク(公共職業安定所)で、基本手当を受けるための最初の手続きとなる「求職の申込み」をして、4週間ごとに失業の認定を受ける。
すぐに再就職・再雇用となり、基本手当を受けない場合は、その会社を通じて「高年齢雇用継続給付」の申請手続きをする。
健康保険 加入する制度を選ぶ
任意継続被保険者になる場合
退職後20日以内に、田辺三菱製薬健康保険組合に対して任意継続の加入手続きをする。
国民健康保険に加入する場合
退職後14日以内に、市(区)町村役場で国民健康保険の加入手続きをする。
家族の被扶養者となる場合
家族の被扶養者となる場合家族との生計維持関係、被扶養者となる者の収入等、条件を満たしていれば被扶養者となることができます。家族の健康保険の基準を確認して手続きする。
再就職・再雇用となった場合
就職・再雇用先の健康保険(健康保険組合や全国健康保険協会)に加入する。
国の年金 国の年金は自分で請求する
現在、国の年金は65歳支給へ段階的に移行しています(Q2参照)。支給開始月の3カ月前に日本年金機構から受給手続きに関する案内が届きます。
厚生年金保険に加入していない場合で、配偶者が60歳未満で、被扶養者となっているときは、配偶者の種別変更(第3号→第1号)が必要になり、退職月の翌月中を目安に市(区)町村役場に申請する。配偶者自身の国民年金保険料を納めることになります。


退職後に

雇用保険 早めに再就職が決まれば「再就職手当」が受けられる
基本手当の受給中に再就職(残りの給付日数が3分の1以上かつ45日以上)したときは、住所地のハローワークで「再就職手当」の受給手続きをする。
基本手当の受給中に再就職(残りの給付日数が100日以上)し、再就職後の給料が大幅にダウンしたときは、その会社を通じて「高年齢雇用継続給付」の受給手続きをする。
在職老齢年金 給与収入があれば、年金が減額または停止される
働きながら年金を受けている場合、給与・賞与の額に応じて年金の減額調整が行われる。
年金手続 年金を受けはじめた後も、届け出は確実に
氏名、住所が変わったとき、受取金融機関を変更するとき、年金受給者が亡くなったときは、基金と年金事務所に届け出を行う。
また、基金から送付される「現況届」(対象者のみ)を返送する。


Q2.公的年金(国の年金)である老齢厚生年金・老齢基礎年金はいつから受けられるの?

A2.性別・生年月日によって、支給開始年齢が異なります。

特別支給の老齢厚生年金は、報酬比例部分(在職中の給与に応じて計算される部分)と定額部分(加入月数に応じて計算される部分)に分かれており、性別と生年月日によって受けられる年齢が次の図のように異なります。
厚生年金保険の加入期間がある人は、65歳になると老齢厚生年金と老齢基礎年金が受けられます。
国民年金のみに加入していた人は、65歳から老齢基礎年金が受けられます。


性別・生年月日別支給開始年齢

性別・生年月日別支給開始年齢

老齢基礎年金は60歳から64歳までの間に繰り上げて受けることができますが、受給開始年齢に応じて年金額が減額されます。また、66歳から70歳までの間に繰り下げて受けることもでき、この場合は受給開始年齢に応じて年金額が増額されます。(平成19年4月1日から老齢厚生年金についても、繰り下げ制度ができ、受給開始年齢を個別に選択することができます。)

なお、繰り上げ受給については、次の点に注意してください。

  1. 老齢基礎年金の額は生涯にわたって減額されます。
  2. 繰り上げ受給の手続きをした後は、障害基礎年金や寡婦年金を受けることはできません。
  3. 国民年金の任意加入者であるときは、繰り上げ受給はできません。

繰り上げ受給または繰り下げ受給を希望する人は、年金の請求手続きの際にお申し出ください。


Q3.60歳になれば、自動的に公的年金(国の年金)は受けられるの?

A3.年金を受けようとする人は、必ず年金の請求手続き(裁定請求といいます。)が必要です。

年金を受けることができる年齢になったときに、裁定請求する必要があります。日本年金機構が管理している年金加入記録で、老齢基礎年金の受給資格(期間要件)を満たしている方には、年金を受けられる年齢(60歳から65歳)の3ヶ月前に年金の請求書(裁定請求書)が送付されます。


Q4.60歳以降は働きながらでも公的年金(国の年金)は受けられるの?

A4.厚生年金保険に加入している間は、年金額と給料・賞与の額によって年金の一部または全部が支給停止されます。


Q5.雇用保険を受給している場合も公的年金(国の年金)は受けられるの?

A5.会社を退職し、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けている間は、特別支給の老齢厚生年金は全額支給停止となります。

再就職、会社勤めをしていて雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けている間は、在職中であることによる支給停止額に加えて、高年齢雇用継続給付との調整が行われます。


Q6.自分の老齢年金を受ける場合、今受けている遺族年金はどうなるの?

A6.公的年金(国の年金)制度においては、1人の人が複数の年金を受けることは過剰給付になり公平性を失うとの観点から「1人1年金」が原則になっています。複数の年金が受けられる場合は、本人の選択によりいずれか1つの年金を受けることになります。(ただし、老齢基礎年金と老齢厚生年金というように、同じ種類の年金は一緒に受けることができます。)

なお、平成19年4月の法律改正により、65歳以上の遺族配偶者(妻)に対する年金が、配偶者(妻)自身が納めた保険料を年金額に反映させるため、自らの老齢厚生年金を優先的に全額受給した上で、従来(平成19年3月以前)の受給方法による給付額との差額を遺族厚生年金として受給する仕組みになりました。(支給される総額は変わりません)
65歳になると、遺族年金と老齢基礎年金の組み合わせなど、特例として両方の年金を受けることができる場合もありますので、裁定請求する際に窓口でご相談ください。


Q7.企業年金にかかる税金は?

A7.年金のうち老齢および退職を支給事由とする給付には、所得税法により雑所得として所得税がかかります。公的年金の場合と同様に基金から支給される年金給付も、雑所得として所得税が課されます。

年金に係る所得税の納税については、源泉徴収制度が採用されており、基金では課税対象となる受給者の支払期における支給額から源泉徴収 (所得税(支給額×7.5%)+復興特別所得税(所得税の2.1%、平成25年1月1日~平成49年12月31日) し、その残りの額を支払うことになります。企業年金は年末調整ができません。
下記の方は確定申告する必要があります。確定申告の手続きは、毎年2月16日から3月15日までの間に、住所地の所轄税務署で行ってください。(確定申告について詳しくは所轄の税務署にお問い合わせください。)

(ご参考)
退職に起因して支給される一時金は、退職所得となり、支給額から退職所得控除額(下表)を差し引いた額の2分の1が課税退職所得金額となります。また、退職所得は、原則として他の所得と分離して税額を計算することから、退職手当の支払いの際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、原則として確定申告の必要はありません。


確定申告が必要な人

  1. 公的年金等の雑所得(国の年金、企業の年金等)の金額から所得控除を差し引いて残額のある方
  2. 給与を1カ所から受けていて、各種の所得(給与所得・退職所得を除く)の合計額が20万円を超える方
  3. 給与を2カ所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と各種の所得(給与所得・退職所得を除く)の合計額が20万円を超える方


確定申告により源泉徴収税額が還付される場合がある人

  1. 源泉徴収では控除を受けることができなかった寡婦(夫)控除、生命保険料控除、社会保険料控除、住宅取得控除などを受けようとする人
  2. 災害などによる雑損控除、医療費に係る医療費控除を受けようとする人
  3. 「扶養親族等申告書」を提出しなかったため、源泉徴収税額が納めすぎとなる人
  4. 「扶養親族等申告書」を提出した後で、扶養親族等が増えた人など
  5. 公的年金等の収入金額が400万円以下かつ公的年金等以外の所得額が20万円以下である場合は確定申告は不要とされていますが、還付を受けることもできます。

所得税額の算出


公的年金等(国の年金、企業の年金等)の控除額

受給者の年齢 その年中の公的年金等の収入金額の合計額(A) 公的年金等控除額
65歳未満の人 130万円未満 70万円
130万円以上410万円未満 (A)×25%+37万5000円
410万円以上770万円未満 (A)×15%+78万5000円
770万円以上 (A)×5%+155万5000円
65歳以上の人 330万円未満 120万円
330万円以上410万円未満 (A)×25%+37万5000円
410万円以上770万円未満 (A)×15%+78万5000円
770万円以上 (A)×5%+155万5000円


各種控除額

所得控除の種類 所得控除額
基礎控除 38万円
扶養控除
(年齢はその年の12月末現在)
一般の控除対象扶養親族
(16歳以上)
38万円
特定扶養親族
(16歳以上のうち19歳以上23歳未満)
63万円
老人扶養親族
(70歳以上)
同居老親等以外の者 48万円
同居老親等 58万円

このほか、配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除、寡婦(夫)控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除などの所得控除があります。


退職所得控除額

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (A-20年)

※勤続年数の期間は、原則として、退職金の支払者の下で退職の日まで引き続き勤務した期間です。

※長期の欠勤や病気での休職期間も、勤続年数に含めます。

※勤続年数の期間に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。

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