2021年度決算
2021年度は財政均衡となりました。
- 2022年7月20日に当基金の第42回代議員会が開催され、2021年度決算が承認されました。
- 2021年度の運用状況を見ると、不安定なマーケットを継続しており、ロシア・ウクライナ問題や金利動向などから引き続き見通しにくい状況が続いています。そんな中で、当基金の2021年度の運用収益率は、+0.16%で年度を終了し、162百万円の運用収益となりました。
- 2021年度末時点において当基金が保有する年金資産（固定資産）額は、86,041百万円です。一方、将来の年金給付のために積み立てられているべき責任準備金は78,203百万円です。
- 責任準備金減少額6,613百万円の大きな要因は、数理債務の減少と予定利率2.5%との利益差となっています。結果、2021年度のリスク充当額は7,668百万円となりました。
2021年度の収支状況（損益計算書）
| 費用勘定 | 収益勘定 | ||
|---|---|---|---|
| 給付金 | 8,239 | 掛金等収入 | 2,229 |
| 移換金 | 275 | 特別収入 | 0 |
| 運用報酬等 | 447 | ||
| 業務委託費等 | 43 | ||
| 運用損失 | 0 | 運用収益 | 162 |
| 責任準備金増加額 | 0 | 責任準備金減少額 | 6,613 |
| 当年度剰余金 | 0 | 当年度不足金 | 0 |
| 総合計 | 9,004 | 総合計 | 9,004 |
2021年度末時点での資産と負債の状況（貸借対照表）
| 資産勘定 | 負債勘定 | ||
|---|---|---|---|
| 流動資産 | 342 | 流動負債 | 0 |
| 固定資産 | 85,698 | 支払備金 | 912 |
| 責任準備金 | 78,203 | ||
| 繰越不足金 | 0 | 別途積立金 | 6,926 |
| 当年度不足金 | 0 | 当年度剰余金 | 0 |
| 総合計 | 86,041 | 総合計 | 86,041 |
| （リスク充当額） | 7,668 | （財政悪化リスク相当額） | 28,412 |
| （未償却過去勤務債務残高） | 0 | （数理債務） | 77,461 |
2021年度財政検証結果
基金では毎事業年度の決算結果に基づき、年金資産（純資産額）の積立水準を「継続基準」「非継続基準」の2つの基準に照らして検証することが法令で義務づけられています。検証の結果、資産の積立水準が基準値を下回り、「積立水準の回復計画」の策定が必要とされる場合には、すみやかに財政計画の見直し（変更計算）を行うことになります。
2021年度の当基金における財政検証結果は次のとおりです。
継続基準の検証
将来支払う給付に必要な年金資産の積み立てが、計画どおりに行われているかを検証します。
- 基準値
純資産額／責任準備金 ＝1.00以上 - 検証結果
純資産額（85,129百万円）／責任準備金（78,203百万円） ＝1.08
当年度は、純資産額が責任準備金を上回り、基準値をクリアしました。
非継続基準の検証
現時点で基金が解散したと仮定した場合、これまでの加入期間にかかる年金給付を行えるだけの水準に達しているかを検証します。
- 基準値
純資産額／最低積立基準額 ＝1.00以上 - 検証結果
純資産額（85,129百万円）／最低積立基準額（89,487百万円） ＝0.95
非継続基準の財政検証では、経過措置である30年国債の5年平均利回り0.63％（法定利率）に、0.5%加えた利率「1.13%」を割引率として適用した結果「0.95」となりました。基準値である1.0以上はクリアーできず、非継続基準の値が0.90以上かつ当年度を除く過去3年間のうち2年間以上についても、クリアーできておりませんので、財政検証で抵触し積立不足となりました。そのため2023年度までに特例掛金の拠出が必要となります。
財政再計算の要否・掛金の見直しの必要ありません。
【非継続基準の検証について】
原則は基準値を下回ると特別掛金の拠出が必要となります。
ただし、以下の2つの要件をいずれも満たす場合には特別掛金の拠出は不要です。
1）当年度の非継続基準の値が0.90以上
2）当年度を除く過去3年間のうち2年間以上について、非継続基準の値が1.00以上
